時の満ちる日

投稿日時 2016-12-04 18:48:45 | カテゴリ: メッセージ

 イエス・キリストは突然この世にお生まれになったわけではない。神の御計画に基づいてこの世にお生まれになったのである。聖書は次のように記している。
 「しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生まれさせ、律法の下に生まれさせて、おつかわしになった。それは、律法の下にある者をあがない出すため、わたしたちに子たる身分を授けるためであった。」(ガラテヤ人へ手紙四章四〜五節)
 御子が生まれるのは、約2000年前のイスラエルでなければならなかったのか?あるいは、もっと後に、どこの国でもよかったのではないか。しかし聖書は「時の満ちるに及んで、神は御子を女から生まれさせ」と記している。あの日、あの時、イスラエルの国のベツレヘムの町で御子はお生まれにならねばならなかったのである。神は、世界のすべての人を救うために、三つの民族をお用いになられたのである。
 
 その一つはイスラエル民族である。
 天地の創造者である神は、ご自分の作られた全世界の人に、永遠の祝福を贈ろうとされて、今から約四千年前に、イスラエル民族をお選びになって、彼らを「祝福の基」とされた。(創世記十二章二、三節)信仰の人アブラハムの末がイスラエル民族である。神の選びによってイスラエル民族が選ばれ、その家系からイエス・キリストがお生まれになったのである。イスラエル民族は世界中のどの民族と比べても、伝統を固守するということにおいて、断然頑固であった。実はその特性が、「祝福の基」としての使命を失う原因にもなったのだが、神は、イスラエル民族をお用いになられたのである。イスラエルは、紀元前五八七年にバビロンに滅ぼされて亡国となった。なんとかしてエルサレムに神殿を再建したが、期限七〇年にローマによって滅ばされてしまい、一九四八年に独立国として国連に認められるまで実に約二五〇〇年間も離散の民としてイスラエルの民は全世界に散らばっていたのである。しかし、彼らは伝統を固守して、どこへ移り住んでも、会堂を建てて、彼らの思考を守り続けたのであった。この会堂が、キリスト弟子たち伝道の拠点となって世界中にキリスト教が急速に拡大していったのである。もしユダヤ教徒の会堂がなかったならばキリスト教は急速に拡大していくことはできなかったのである。
 
 その二はギリシャ民族である。
 紀元前四世紀の地中海をめぐる世界の支配者は、ギリシャであった。アレキサンドロス大王が当時の世界を征服したのであったが、彼は軍事力だけではなく、ギリシャ文明を世界に広げ、中でも、ギリシャ語を普及させた。歴史上の最初の世界共通語が生まれたのである。このギリシャ語によってキリスト教の福音は全世界に広まり、ギリシャ語で新約聖書は書かれたのである。この点で神はギリシャ民族をお用いにいなったのである。
 
 その三はローマ民族である。
 ギリシャに続く世界の征服者は、ローマ人であった。ローマ帝国は比較的長く世界の支配者であった。その強力な軍事力によって世界を支配し、道路網を発達整備して”すべての道はローマに続く”と言われるまでになっていた。この交通網とローマの治安によってキリスト教の福音は広く多くの人や国々に伝えられていったのである。
 以上の伝道の拠点としての会堂、世界共通語、治安と交通の三拍子がそろって、初めて神の祝福のメッセージが全世界に届けられたのである。キリストの誕生はそれ以前でも以後でも、ふさわしくなかった。実に、「時の満ちるに及んで、神は御子を女から生まれさせ」られたのである。この神のタイミングは完璧である。クリスマスは、「時の満ちる日」である。
 





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