ある小雑誌に「畑の土がいいと、野菜がまずくなる」と記されていました。その本によると最近の野菜の味や香り、栄養素までもが、年ごとに低下していると述べられていました。
(「頭にやさしい雑学の本」より 三笠書房)
その理由が、実は畑の土地が良すぎるからだ、というのです。植物には、それぞれ原産地があり、たとえばホウレンソウはペルシャが原産と言われ、半砂漠化したような荒れた大地こそが、ホウレンソウの味わいを育てるというのです。トマトの場合も、南米はアンデスの荒れ野が原産地であるから、決して、肥沃な土地で生まれたわけではない。ところが今の日本の科学的・化学的な農法は、栄養も水もたっぷり与え、虫害や雑草、冷害などから徹底して保護する。世界で最も過保護だといえるとのこと。その結果、甘やかされて与えられることにも慣れきってしまった野菜が、自分で土中の栄養分を吸い上げる能力や、水を求めて根を伸ばす努力を忘れ、次第に力のない植物に変わっていったと記されていました。
そこで、あえて厳しい農法で育て、野菜本来の味と香り、含まれるべき栄養素までも取り戻そうという「緑健農法」が行わているというのです。この農法は原産地の環境を実現して、肥料は通常の十分の一、水は三十分の一しか与えないという厳しいもので、肥料と水を最小限に抑えると、ギリギリの状態で何とか大きく育とうとして野菜自身が頑張り、本来の力がよみがえってくるというのです。その本の終わりには、野菜にもハングリー精神が大切。甘やかされず、根性を鍛えられた野菜こそおいしいのですとありました。
この事は人間にも必要なことではないでしょうか。
聖書の中に次のように記されています。「『わが子よ。主の懲らしめを軽んじてはならない。主に責められて弱り果ててはならない。主はその愛する者を懲らしめ、受け入れるすべての子に、むちを加えられるからである。』訓練と思って耐え忍びなさい。神はあなたがたを子として扱っておられるのです。父が懲らしめることをしない子がいるでしょうか。」(へブル12章5節〜7節)
神は父として信じて従う者たちをいろいろなことを通して懲らしめ訓練されるのです。試練や懲らしめは父なる神からの愛のむちなのです。それによって強い、忍耐強い訓練された者になれるのです。
私たちの人生にいろいろな事が起きます。悩んだり苦しんだりすることがあります。それに対して神は耐える訓練された者としてくださるのです。ここにも神の豊かな愛と配慮があるのです。主にあって訓練された者としていただこうではありませんか。
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